前払費用とは?図解でわかる仕組みと仕訳
前払費用とは?
前払費用とは、 まだ受け取っていないサービスの代金を先に支払ったときに、一時的に「資産」として計上するもの です。
例えば、1年分の家賃を 先払い した場合、支払った時点では まだ未来の月の分も含まれている ため、そのまま全額を費用にするのではなく、一旦「資産」として計上します。そして、毎月分を費用として計上していきます。
仕分けで理解する前払費用の流れ
例:1年分の家賃を先払い(120万円)
2025年4月1日に、 1年分の家賃 120万円 を前払いしたケースを見てみましょう。
【支払時点(4月1日)】
• まだ 12ヶ月分のうち、11ヶ月分は未来の費用 なので、全額を費用にしない。
• いったん「前払費用(資産)」として計上する。
2025/4/1
前払費用 1,200,000 現金 1,200,000
【毎月の月末処理】
• 1ヶ月分(120万円 ÷ 12ヶ月 = 10万円)を「家賃費用」に振り替える。
• これを12ヶ月間繰り返す。
仕訳(2025年4月30日)
2025/4/30
支払家賃100,000 前払費用 100,000
→ これを毎月行い、 2026年3月末には前払費用がゼロ になります。
前払費用が必要な理由
なぜこのような処理をするのか?
1. 正しい期間の費用を計上するため
• もし4月に120万円を全額費用にしたら、4月の利益が大きく減ってしまいます。
• 毎月10万円ずつ計上 することで、適切に利益を計算できます。
2. 税務上のルールに従うため
• 一括で費用計上すると、 税金計算に影響が出る ため、会計のルールに従って処理します。
どんなものが前払費用になる?
以下のようなものは 前払費用として計上 することが多いです。
費用の種類
例
家賃
- 家賃
- 1年分まとめて支払った家賃
- 保険料
- 年払いの火災保険・自動車保険
- 賃借料
- 機械や設備のリース料
- サブスクリプション
- 1年契約のクラウドサービスなど
まとめ
✅ 前払費用とは、まだ受け取っていないサービスの代金を「資産」として計上するもの
✅ 支払時点では「前払費用(資産)」として処理し、毎月分を費用として計上する
✅ 家賃・保険・サブスクリプションなど、年払いの支払いでよく使われる